2020年4月15日更新
介護施設の感染症対策への
防犯カメラ活用
多くの介護施設が防犯および利用者様の保護・職員の皆様の業務効率改善を目的に防犯カメラを取り入れています。
あまり意識されることはありませんが、防犯カメラは、感染症対策にも有効です。
このページでは、介護施設における感染症対策の特徴、そして、介護施設の感染症対策に防犯カメラはどのように役立てることができるのかをまとめます。
介護施設の感染症対策
感染症は、病原体が体内に入り込み症状を引き起こす病気です。
感染症対策には、病原体の排除、感染経路の遮断、 抵抗力の向上という3つの要因が相互に絡み合っています。
介護施設の感染症対策は、上記3つの要因それぞれに対して実施されています。
若年層に比べると抵抗力の低下している高齢の方々が集団生活を送る介護施設は、常に集団感染のリスクと隣り合わせにあるといっても過言ではなく、介護施設では各現場で緊張感をもって感染症対策が施されていますが、日常生活の円滑な運営自体に大量な業務量がある介護施設の現場では、感染症対策まで手が回らないという場面もおこります。
介護施設では直接人の手で施されるべきこと、防犯カメラを活用してリモートで効率化を図れる(図ってもいいと判断される)ことがあり、いくつかの介護施設では線引きを工夫して施設運営の改善に役立てられています。
下記に、感染症発症要因それぞれへに対して介護施設で実施されている感染症対策の内容、また、そこに防犯カメラを役立てているれについてまとめます。
参照:厚生労働省公表「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版(2019年3月)」
介護施設が実施している感染症対策:
病原体の排除
病原体とは、感染症の原因となる微生物を含んだものです。
どこの介護施設でもみられるものに、病原体となる可能性があるといわれています。
- 嘔吐物、排せつ物
- 血液、体液、分泌物
- 注射針やガーゼなどの使用済み器材
- 上記に触れた身体
病原体となる可能性のあるものには素手で触らない
手袋を脱いだ後は消毒をする
という作業フローの徹底が各施設で実施されています。
介護施設の感染症対策:
病原体の排除への防犯カメラの役立て方
介護施設の感染症対策で病原体を排除するためには、
「病原体となる可能性のあるものには素手で触らない」
「装着した手袋を外した後は消毒する」
という作業フローの徹底が重要視されていることをご紹介しました。
しかし介護施設のスタッフのみなさんは業務に追われているため、感染症対策が難しい場面もあり、
ついつい病原体に素手で触ってしまったり、消毒を怠ってしまうかもしれません。
防犯カメラは、管理者が見ているという抑止力で感染症対策の作業フローをとばしてしまうのを防ぐ効果があります。
また、監視だけではなく、防犯カメラで撮影された映像をもとに改善点を見つけ出し、介護施設現場作業の効率化も図られています。
介護施設についている防犯カメラは、監視の目、そして、感染症対策に手が回るよう効率化できる業務をさがすチェックの目を増やしています。
介護施設が実施している感染症対策:
感染経路の遮断
介護施設の感染症対策で感染経路を遮断するためには、次の3点に配慮しなくてはいけません。
介護施設の感染症対策で感染経路遮断の必要条件
- 病原体を持ち込まない
- 病原体を持ち出さない
- 病原体を拡げない
また、利用者のみなさまの病原体を持ち出さない・拡げないようマスクやエプロンの着用、手袋の着用、適切な廃棄といった感染症対策が実施されています。
介護施設の感染症対策:
感染経路遮断に防犯カメラを役立てる例
介護施設の感染症対策として感染経路遮断を徹底するためには、病原体を持ち込まない・持ち出さない・拡げない作業フローが徹底されていなくてはいけません。
そのため病原体の排除と同様、遠隔で常時管理者が確認できる防犯カメラは感染症対策に有効です。
介護施設に監視の目とチェックの目が増えるからです。
さらに、感染症の感染経路遮断に対しては、防犯カメラは、
病原体を持ち込まない・持ち出さない・拡げないために、利用者さまの様子を遠隔から見守る目にもなります。
防犯カメラの見守りによりスタッフ数が減ることは、過度な人数が入室することを防ぎ、これは、病原体に振れるリスクから利用者さまを遠ざけることにつながるからです。
介護施設が実施している感染症対策:
抵抗力の向上
抵抗力の向上には、十分な栄養と睡眠をとること、必要に応じたワクチン接種が必要です。
介護施設では、食事や睡眠、ワクチン接種などについて介護施設のスタッフのみなさんが管理することで感染症対策を実施しています。
介護施設の感染症対策:
抵抗力の向上へに防犯カメラを役立てる例
十分な栄養と睡眠がとれているかどうかは、防犯カメラを活用して見守りの目を増やすことで一層注意深く管理ができます。
ふさぎ込んでいないか、体調が悪そうではないかを介護施設内で共有することに防犯カメラは役立てられています。
介護施設の感染症対策:
その他、防犯カメラを役立てる例
介護施設内に防犯カメラを取り付けることで、人が集まりすぎている状況をリモートからでも確認できるようになります。
感染症対策には、人が過度に密集することを避けることが大切であるのは、多くの方が知るところです。
接触感染・飛沫感染・空気感染により病原体が拡がると、その時の宿主では発症しなかった病原体も、誰かにとっては発症をもたらす感染源になるかもしれないからです。
防犯カメラは、介護施設内のプレイルーム、廊下、食堂などが密集していないかを常時確認することができます。
さらに、目視確認で施設内を人間が歩き回らずに済むことは人との接触が抑えられるという点でも感染症対策につながります。
介護施設の感染症対策への
防犯カメラ活用:
まとめ
介護施設の感染症対策に防犯カメラがどう活用されているのかをご紹介しました。
介護施設は、比較的抵抗力の弱い方々が集団生活を送る場所という特性上、感染症対策が重要な場所です。
しかし一方で、日常生活を豊かな気持ちで送る場所でもあるため、感染症対策のためとはいっても人との接触を削減しすぎることはできません。
防犯カメラの取り付けをお手伝いする中でも、その線引きに介護施設のみなさまが工夫されている様子を、学ばせていただいています。
私たちは、感染症対策と豊かな生活とのバランスに工夫される介護事業者の皆様のお役に立てるよう、防犯カメラのプロとして知識と経験を積み重ねてまいります。