防犯カメラの常時録画・動体検知録画の比較
防犯カメラを設置しようと思ったとき、常に映像を記録し続ける常時録画の防犯カメラか、対象の動きを検知して録画する動体検知録画(モーション録画)の防犯カメラか、どちらを購入しようか迷うことがあると思います。
通常、防犯カメラの映像は常時録画することが多いのですが、設置する用途やカメラのスペックによっては動体検知録画が適しているケースもあるでしょう。
設置したい場所や防犯の目的から、録画方式の違いでどちらを選ぶべきか、プロの視点で見て解説いたします。
防犯カメラは常時録画と動体検知録画、どちらが良い?
防犯カメラの録画方法には常に映像を撮影し記録する常時録画と、動きを検知して録画する動体検知録画(モーション録画)があります。
防犯カメラを購入する際に、どちらのタイプを買うべきか迷われたことがある方もいるのではないでしょうか。
常時録画と動体検知録画、どちらが良いかは設置したい場所や防犯の目的により異なります。
今回はそれぞれの録画方式についてやメリット・デメリットをプロの見解から解説します。
常時録画とは
一般的なHDDを搭載した防犯カメラは基本的に常時録画で記録を残していき、HDDがいっぱいになると古いデータから上書き録画をして消えていく、というのが通常です。
HDDだと圧縮方式にもよりますが、1TBあたり1ヶ月程度を記録できますが、128GBのSDカードだと約3日程度を記録できます。
どちらもフルハイビジョン(200万画素)での録画ですが、それより画質を落とすと、顔の認識などが難しくなることがあります。
不正や犯罪行為の証拠として映像を利用したい場合なるべく画質を落とさないよう設定することをおすすめします。
動体検知録画(モーション録画)とは
動体検知録画はモーション録画とも呼ばれており、映像に動きがあったときだけ記録する仕組みです。
日数や時間ではなくカメラを設置した場所の状況によって上書きまでのタイミングが変わってきます。動きの多い場所や公道に面した場所では逆にHDDやSDカードの容量を常時録画以上に使ってしまう場合があります。
HDD録画方式は常時録画、SDカード録画方式はモーション録画が最適
やはり長く録画できるHDDの場合は、常時録画でベタ撮りするのが望ましいでしょう。
侵入者のない場合でも「侵入者がなかった」という事実をしっかり記録できることで防犯カメラの信頼性が高まります。
人や車が来ていないという事実、も証拠となります。防犯設備士としても防犯のプロとしても常時録画をおすすめします。
ただし、どうしても予算的にSDカードのほうが安く簡易設置ができるため、そちらを選ぶ方もいらっしゃると思います。
屋内に設置するなら動体検知録画も良いのですが、屋外ではできるだけ常時録画方式を選ぶことをおすすめします。
最適な録画期間を選びましょう
お客様の中には、旅行中に泥棒に入られたが、録画期間が短く帰宅したときにはすでに問題映像が上書きされていた、という方もいらっしゃいました。戸建てなら旅行や帰省なども考えて最低でも2週間は録画が消えないようにしましょう。
不特定多数が出入りする事業者や店舗では1ヶ月の録画があれば十分かと思います。逆に長く録画しないといけないのは食品工場などです。
出荷した製品の賞味期限、消費期限から割り出したできるだけ長い期間を録画する必要があります。
常時録画と動き検知録画のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
常時録画 | ・証拠能力が高い ・録画期間を予測できる |
・再生時に時間がかかる |
動体検知録画 | ・問題の時間を再生するのが楽 | ・証拠能力が低い ・録画機関の予測が困難 |
万引きや窃盗、恐喝でよくあるのが、「一時的に借りた」といういいわけです。盗んだものをあとから返した、などという言い逃れを泥棒がしたときに、その証拠がないことこそが動き検知録画の問題点です。
電池式・ソーラー式防犯カメラの場合
常時録画をしようと思うと電池式やソーラー式では電力が足りず、録画もままならないかと思います。
電池式やソーラー式の防犯カメラの場合、常時録画はせずに動体検知録画のみになることが多いようです。
不審者を検知し通知するAI防犯カメラ
防犯効果を高めるのであれば常時録画がおすすめとお伝えしました。
弊社のAI防犯カメラシステム「TRINITY AI 人検知システム」の提供は、警戒エリアへの人の侵入をAIが検知し、素早くLINEで通知をするシステムです。
従来の防犯カメラはトラブルがあった場合に状況確認をするという使われ方が多かったのですが、常時録画の防犯カメラにAI機能をプラスすることで不審者の存在にいち早く気づき、対処ができます。
また、AI人検知システムは弊社の防犯カメラ以外のカメラにも使用可能です。
既に設置済みの防犯カメラにAI機能を後付けすることも可能ですので、お気軽にご相談ください。
常時録画・動体検知録画のまとめ
一般的に防犯カメラは常時録画で記録をできるだけ長く残すのが良いでしょう。
ただし、高画質、長期録画はHDDの容量を大きく使うので、費用が高額になりがちです。200万画素レベルの映像を1ヶ月程度残すことが基本と考えてカメラを選びましょう。
SDカード録画であれば動き検知録画も有効ですが、室内など限られた人物が限られた時間しか入ってこないような場所で利用するのが良いでしょう。
この記事の執筆者
兼松 拓也
2006年に、愛知県名古屋市で株式会社トリニティーを設立。
防犯カメラの設置は1000ヶ所以上に携わり、現在ではAI・IoTシステムの開発に従事する傍ら、セキュリティコンサルタントとして顧問業務も行う。