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リスクや価格から導く防犯カメラのクラウド録画がダメな理由

防犯カメラのクラウド録画がダメな理由

防犯カメラ専門店を2006年に設立して以来、クラウド録画タイプの防犯カメラは以前からあり、ずっとチェックはしていましたが、昨今ずいぶんと価格が安くなってきました。 市場にもある程度なじんできましたが、実際の運用面での信頼性や価格など気になる方もいらっしゃると思います。防犯カメラのクラウド録画サービスのメリット・デメリットを比較してその将来性までもご説明したいと思います。

VHS録画からクラウド録画へ

VHS録画からクラウド録画へ

私が防犯カメラの専門会社トリニティーを設立した2006年にはまだVHS録画というものが残っていました。 コンビニなどに防犯カメラの入れ替え提案に行くと【月曜日】【火曜日】・・・【日曜日】とラベリングされたVHSテープがバックヤードに並んでいて、それを使ってタイムラプスレコーダーを使って録画をする、毎日夜中の12時になるとVHSテープを入れ替える作業が日課になっている、そんな光景がまだ残っていました。

そういう時にご提案していたのがHDDによる録画装置でした。当時はIDEという規格の80GBや160GBのHDDが搭載されたレコーダーで40万画素のカメラを数日録画でき、古い映像から自動消去しながら録画をし続けるのでビデオテープの交換が必要なくなるのが売りでした。現在、トリニティーで提供する録画機は、一般的に4TB(4000GB)のHDDを初期搭載させているのでかなり容量も増え、200万画素以上の映像を1ヶ月以上記録できます。
圧縮方式も異なりました。当時はモーションJPEGという圧縮方式が一般的だったので録画時間も短かったのですが、圧縮方法も進化し、大きな容量のHDDに長い時間の映像を小さく圧縮して書き込みできるようになったので、画質も保存時間も飛躍的に伸びました。

そしてさらにクラウドに置かれたHDDにインターネットを使ってアップロードするクラウド録画という方式も生まれました。現地に録画装置を置かずにクラウド上で録画をするこの新しい方式のメリットやデメリットについて深くご説明していきたいと思います。

クラウド録画とオンプレ録画

クラウド録画はインターネット上にあるHDDに映像を記録してくもので、オンプレ録画とはカメラの設置してある現地にHDDをおいて録画をしていく方式となります。まずはこの2つを比較してご説明します。

  クラウド録画 オンプレ録画
録画時間 自由設計 自由設計
画質 低い(100万画素程度) 高い(200万画素以上)
料金 1,2台までなら安い 3,4台以上なら安い
遠隔監視 可能 可能
インターネット 必要 不要

スペックや料金を確認すると、どういった利用場所にどっちの録画方式にメリットが有るかわかると思います。

  • 1,2台という少ないカメラ台数で人の有無や状況判断ができれば良い場合はクラウド録画
  • 3台以上のカメラ台数で、人の動きや状況を細かく確認したい場合は画質の高いオンプレ録画

結論から言ってしまうと一般的にはこの判断で間違いないと思います。よく勘違いされることとして「クラウド録画じゃないとスマホでの遠隔監視や遠隔録画再生ができないのでは?」と思う方がいるのですがそれは間違いで、どちらの方式もインターネットがあればスマホやPCでの遠隔監視は可能です。

【クラウド×オンプレ】録画されない危険性の高さ

私達のような施工にも携わる防犯カメラ会社にとって、安全を確保するセキュリティ会社が「録画されない危険性が高いものほど売りにくい」、そう考えるのは当然の流れだと思います。 そしてその録画されない危険性が高いのはクラウド録画なのかオンプレ録画なのか。これは言葉では説明しにくいので図にしてご紹介します。

クラウド録画とオンプレ録画の仕組み

映像をケーブルでやり取りするのはバトンリレーを想像してもらえるとわかりやすいと思います。カメラとHDDの間に機器が入れば入るほど、ケーブルが入れば入るほどなにかのトラブルで録画されないリスクは高くなります。
実際に、あるクラウド録画のカメラを使っていたフランチャイズのラーメン店は設置してから2,3年のうちに12店舗中6店舗がネットワークトラブルで録画できなくなっており、弊社ですべてをオンプレ録画に入れ替えさせていただいたこともあります。

いざという時にしっかりと録画が残っている、信頼性が高いのはオンプレ録画ということになります。ちなみにトリニティーでは、何万個と防犯カメラを設置販売していますが、録画が残らなかったのは火事でHDDが消失してしまった時ぐらいです。
参考までにクラウド、オンプレそれぞれ映像が録画されないリスクをまとめるとこのようになります。

いざという時に録画が残らない危険性の高さ

防犯カメラは、できるだけ何があっても録画を保存し残すことが大事です。
(※停電時も無停電装置があればオンプレ録画の場合、録画機に映像が保存されます。)

  クラウド録画 オンプレ録画
カメラの故障 録画されない 録画されない
ネット不具合 録画されない 録画される
停電中 録画されない 録画されない

クラウド録画とオンプレ録画の将来性

もともと費用が高かったクラウド録画ですが、様々な会社が提供をはじめて価格競争が起こり2023年から2024年にかけて30日録画で月額1500円/台ぐらいで提供する会社が1、2社出てくるんじゃないかと予想しています。AWSを使ったクラウド録画はそれぐらいが限界ではないだろうか、そしてそれぐらいの金額を底値にしてそれ以上値下がりすることは無いんじゃないかと予測しています。

ではHDDの価格はどうでしょうか。
クラウドのバックアップサービスを提供するBackblaze社によると、1GBあたりのコストは年々下がっており、今後も安くなっていくと思われます。

参考:Backblaze社 ハードドライブのコストについての解説

実際に、私自身もいつかクラウド録画が完全にオンプレ録画に価格で抜かれてしまうのではないかとずっと疑っていましたが、それはまだまだずっと先になりそうです。
もう一つの見方をするとクラウド録画もオンプレ録画も同じようなHDDに録画することは間違いないので、結局は今の【1,2台ならクラウド】【3台以上ならオンプレ】という価格のバランスは崩れないということになります。
いずれにせよ、5年後、10年後といった単位ではクラウド録画主流の時代はこないと予測します。

クラウド録画の画質とインフラの関係

クラウド録画の画質とインフラの関係

クラウド録画は現在100万画素程度の低い画質での録画を主流にしていますが、インフラとの関係が密接にあります。現在では5Gのような規格が出ており、今後6G、7Gとさらに向上していくことと思われますが地域限定だったり速度を上げるために距離が伸びない、などといったことが予測されます。
クラウド録画は画質が上がっても200万画素ぐらいまでで、画質を考えるとすでに8Kなどの録画も可能になっているオンプレ録画に市場では軍配が上がりそうです。

防犯カメラのクラウド録画がダメな理由のまとめ

「防犯カメラのクラウド録画がダメな理由」と題しましたが、すべての状況に対してクラウド録画がダメと言っているわけではありません。要約すると以下のようになります。

  • 防犯としての信頼は低いが、設置台数が1,2台で画質が低くても良いならクラウド録画が結果安くなる可能性が高い。
  • 防犯としての信頼性が高く、設置台数が3台以上で画質をきれいに残したい、長時間録画したいという場合はオンプレ録画が安くなる可能性が高い。

この2つが結論ということになります。どんな防犯カメラを導入しようかといった時、価格はもっとも重要なファクターです。なぜなら他の設備投資と違って利益を生むことが少ないからです。

最近では、DXや少人数体制の管理などにカメラが利用されることが多くなってきたので、利益率の向上に一役買うことは多くなってきていますが、ほとんどの方が良い設備を安く導入したいと思っているはずです。防犯カメラシステムを導入の際は、この記事を読んでいただけると幸いです。

この記事の執筆者

兼松 拓也

2006年に、愛知県名古屋市で株式会社トリニティーを設立。
防犯カメラの設置は1000ヶ所以上に携わり、現在ではAI・IoTシステムの開発に従事する傍ら、セキュリティコンサルタントとして顧問業務も行う。

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